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会社の利益金額、本当に正しいですか?

私の経験上、自社の利益金額の正確性に確信を持っている日本の経営者は殆どいません。「経理部、会計事務所が報告している数字だから正しいのだろう。」という方たちがほとんどです。

しかし、待ってください。経営者としてその状態はあまりにも危険です。

自分で利益金額の確からしさを確認できない危うさ

当然、経営者であれば誰でも利益を追いかけます。売上高を上げようとするのも、無駄な経費を嫌うのも、利益のためです。借入金で一息付けても、利益が出なければそれは問題の先送りだということも皆さんよくご存じです。

利益が出れば、仕事も自信を持って楽しく、日々の生活も心にゆとりを持って過ごせます。取引先、銀行、社員、株主にも還元でき、皆がハッピーになれます。

利益が出なければ、毎日不安で、楽しくありません。胃に穴が開く思いをします。
そういう経験は、どの経営者もしているはずです。

にもかかわらず、利益金額の正確性に確信を持っている経営者は殆どいません。
外部の助けなく社内で月次で利益を算定し、第三者に対しても論理的に正しさを説明できる会社は殆どありません。

会計事務所が算定した利益が常に正しいと思ったら大間違いです。正しい利益の算定には、ビジネスプロセスに深く入り込む必要がありますが、会計事務所にそこまでしてもらっている会社はほとんどないのではないでしょうか。

胃に穴が開くほどの大事なことを自分で正しく把握できていない状態は、とても危険だと思いませんか?

利益金額算出の難しさ

こんなに重要な利益金額なのに、どうして殆どの会社で、月次決算で、3営業日程度で客観的に正しい利益を算定できないのでしょうか。
それは、毎日の企業活動(ビジネスプロセス)で発生する膨大な情報を漏れなく集め、会計処理し、ミスを漏れなく潰すことが技術的に難しいからです。確かにこれには専門性が必要です。

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益ではなく、売上高の正確な把握だったらできているでしょうか

多くの会社でできている気になっていると思われます。売上は、項目が一つだけで限られていますので、これを漏れなく把握することは利益算出に比べて簡単そうだからだと思います。しかし、売上が本当に漏れていないかを確実にできている会社は実は多くありません。網羅性の確保は特に高い技術が必要です。

売上把握が請求書ベースで、請求漏れや請求金額誤りがあったと社内で聞いたことがあるなら、会社としては正しい売上高を把握できる体制にまだないといえます。それでも、利益よりは精度高く算出できることが多いので、売上高に確信が持てないと思っている経営者は少ないのでしょう。

売上計上ミスの金額が小さければ問題ないかといえばそうでもありません。利益への影響は大きいことが多いです。
たとえば、売上高100、費用98、利益2の会社で、売上3が過大計上だったとなると、利益への影響は大きいです。赤転ですから。

売上高としては高々3%の誤差でも、経営者の胃に穴をあける大きな問題です。

正しい利益金額算出のノウハウ(概要)

売上高、経費、利益、資産、負債、純資産といった数字は、上記の通り、日々の企業活動で生じる膨大な情報を漏れなく集め、正しく会計処理し、自己チェックによってミスを修正して初めて算出することができます。
この数字を正しく算出するための職業的専門性を持っているのが公認会計士です。売上高数十兆円のグローバル企業の数字について、客観的、論理的に正確性を保証する仕事をしています。

ポイントは、ミスを起きにくくする仕組みづくりと、どこでミスが起きるのかを絞り込むことと、残高を検証することです。
企業活動をMECEにセグメントするため、ビジネスプロセスで捉え、整備します。そうすることで、ミスを起きにくくし、ミスが起きる箇所を絞り込めます。
残高、特に、現金預金、売掛金、買掛金・未払金、借入金の残高を検証することで、複式簿記の貸借平均の原理を活用して、正しい数字を作り上げることができます。

具体的な方法は、次回以降で。

代表取締役 CEO 印具 毅雄(イング タケオ)

ツバイソ株式会社

公認会計士、税理士

広島生まれ、福岡育ち。中学生の頃からパソコン、プログラミングが好きで、N88-BASICやマシン語に親しむ。大学、大学院では、AI関連技術のニューラルネットワーク、ファジィシステムとともに遺伝的アルゴリズムの改善研究をC言語で行う。 1999年、修士(芸術工学)。日本知能情報ファジィ学会論文賞受賞「単峰性関数当てはめによるGA(遺伝的アルゴリズム)収束高速化」
インターネットベンチャーを立ち上げるべく、経営の勉強のために公認会計士を取得(公認会計士二次試験2000年合格、登録番号19193)。監査法人トーマツ(Deloitte)を経て、2006年にブルドッグウォータ株式会社の創業、事業開始。 2015年、同社よりRobotERPツバイソ事業を会社分割し、ツバイソ株式会社を設立。

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