1. RPAとは? その価値は?
RPAツールの自社利用、導入コンサルティングの経験から、経営者視点と現場視点でRPAに関するノウハウを綴っております。
RPAの歴史
RPAはRobotic Process Automationの略です。Robotと言っていますが、メタファーで、RPAは人間が行うPC操作をエミュレートし、代わりに行ってくれます。
「同じPC操作の繰り返しをマクロみたいにやってくれないかな?」と言うのは誰でも考えることなので、ツールとしてはフリーウェア含めて昔からあります。
MacにはAoutomatorが2005/4に標準アプリとして提供されていますね。
人間による手作業のアプリテストを自動化するテストツールとしてSeleniumが有名ですが、これもRPAツールの一種と言えます。
このようにアプリケーションとしては古いですが、RPAと言うネーミングが良く、盛り上がり始めたのはここ数年です。
いつから使われ出したワードなのか興味が湧いたのでen.wikipediaの履歴を調べてみたところ、2015/8に初めてエントリーされていたので、どうやらこの辺りで作られたワードなのだと思います。
GUIで開発できることがRPAツールの本源的価値
プログラミングから、より簡単なshellスクリプトみたいなものまで、個人のPC操作の自動化は昔からされていました。 この点、今のRPAツールはGUIで開発できることに価値があると思います。
なぜなら、GUIであれば開発できる人を増やせるからです。
開発できる人が増えると言うことは、コストが下がることを意味します。
低コストでたくさんのロボットを開発できれば、すなわち多くの業務が自動化できれば、社会的に生産性を上げることができるので、経済効果が大きくなります。
エクセルなどの表計算ソフトも同様で、ほとんどのビジネスマンが使えるところに大きな価値ががあると私は思います。
ロジカルシンキングができれば細かなプログラミング言語の作法を知らなくても開発し、スピーディに業務自動化の果実を得ることができるのがRPAツールの本源的価値だと思います。
【事例】私の予定表を加工して外部協力者にチャットで共有
当社で使っているRPAの事例です。慣れれば1時間くらいで開発できます。
私の予定表はサイボウズで管理していますが、余計な情報は削除して、当月の埋まっている時間帯だけがわかる予定表をエクセルで作成し、毎日、外部協力者にチャットでファイルを送る業務があります。
毎朝20分くらい時間をかけて社員が作業していましたが、採用活動など、会社としてもっと時間を使うべき業務があるので、この単純業務をRPA化しました。
1分程度ですので、よろしければ参考にご覧ください。
RPA動作説明
- サイボウズの該当ページを開く
- 予定表をコピー
- エクセルを開く
- エクセルにペースト
- エクセルで加工
- エクセルファイルを保存
- チャットツールを開く
- エクセル予定表を添付
- メッセージとともに投稿
【RPA事例】【動画あり】WinActorによるサイボウズ予定表のエクセル加工、チャットによる共有
ツバイソ株式会社
代表取締役 CEO 印具 毅雄(イング タケオ)
公認会計士、税理士
広島生まれ、福岡育ち。中学生の頃からパソコン、プログラミングが好きで、N88-BASICやマシン語に親しむ。大学、大学院では、AI関連技術のニューラルネットワーク、ファジィシステムとともに遺伝的アルゴリズムの改善研究をC言語で行う。
1999年、修士(芸術工学)。日本知能情報ファジィ学会論文賞受賞「単峰性関数当てはめによるGA(遺伝的アルゴリズム)収束高速化」
インターネットベンチャーを立ち上げるべく、経営の勉強のために公認会計士を取得(公認会計士二次試験2000年合格、登録番号19193)。監査法人トーマツ(Deloitte)を経て、2006年にブルドッグウォータ株式会社の創業、事業開始。
2015年、同社よりRobotERPツバイソ事業を会社分割し、ツバイソ株式会社を設立。