IT導入補助金申請時に注意すべきポイントは?
IT導入補助金は、今回がはじめての新しい補助金。
まだ実績がないため、どの程度採択されるかはっきりしていません。※
(※3月10日一次公募結果公表。全国6,800件程度が採択されました)
予算額と一件あたりの補助金額上限から考えると、高い採択率となることは予想されます。
しかし、外部審査委員会による審査があり、申請すれば即補助金が使えるというわけではありません。
そこで採択率を上げるためにも、審査項目に沿って準備することをお勧めします。
中でも、下記の「政策面からの審査項目」については、いずれも任意ではありますが、チェックできると審査において加点が考えられます。
補助金を申請する場合にはぜひ検討したいポイントです。
政策面からの3つの審査項目とは
1. おもてなし規格認証 2017
補助金の額にかかわらず審査項目です。
おもてなし認証規格とは、サービス産業の活性化を目的に、サービス品質を「見える化」するための規格認証制度。
サービス業以外も認証されているようです。
一番下のランクである紅認証は無料。オンラインで簡単なチェック項目を一定数以上満たすことをチェックすると即時取得できます。
金、紺、紫認証については、有償で認定団体の審査が必要です。
詳細、申請はこちらから。
2. 専門家による事業計画作成支援
補助金の額が50万円以上の場合の審査項目です。
補助事業者の生産性向上を目的とした業務改善、IT ツールの導入に係る事業計画の策定、IT ツールの選定・導入等に関する「専門家」の支援を受けたかどうかに関する審査。
専門家の支援があることで、「事業面からの審査項目」についての整合性や実効性等を担保していることと考えられます。
「専門家」とは、よろず支援拠点・地域プラットフォーム、ミラサポに在籍・登録のある専門家、または IT 導入支援事業者社内に ITコンサルティングの経験があり、その能力を有する者のことを言います。
当社グループ内には、認定経営革新等支援機関である公認会計士や事業計画のコンサルティング実務経験を有する専門家がおり、当方で支援が可能です。
3. 経営力向上計画認定申請
補助金の額が80万以上の場合の審査項目です。
認定を受けると、資本金等により異なりますが、固定資産税の軽減(工業会の証明書が必要)、金融支援などが受けられる制度です。また、平成29年4月以降に取得する一定の要件を満たす固定資産(「特定経営力向上設備等」)の即時償却または税額控除が認められる「中小企業経営強化税制」の適用を受ける場合にも必要なものです。
申請はA4 2枚の申請書で比較的手続きの負担が少なく、要件さえ満たせば基本的に認定されるものです。
認定まで1ヶ月程度かかることが想定されます。
また業種によって窓口が異なり、担当する省庁・部署によっては2ヶ月前後かかることもあるようです。
計画の認定申請中であれば、本補助金にその旨を記載可能ですが、認定が確認できるまで交付決定ができませんので、早めの申請手続きが必要です。
詳細、申請方法はこちらから。
・手引き:http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/160701tebiki.pdf
・申請書:http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/160701shinseisyo.pdf
事業面からの審査項目とは
必須項目となっている下記の事業面からの審査項目は、重点的な評価対象と考えられますので、しっかりと論理立てて簡潔に書けるよう、準備しましょう。
(1)事業面の具体的な審査
以下の①〜⑤についてそれぞれ具体的な検討がなされているか
①業務改善についてのこれまでの取組
②自社事業の市場における強み・弱み
③事業課題
④将来計画
⑤IT導入により実現したい効果
(2)補足説明事項の審査
・経営改善に向けた具体的な問題意識を持ち、自社の強み・弱みをきちんと理解しているか
・事業課題に対する将来計画は整合性が認められるか
・自社の状況や課題、将来の計画に対して、「ITツールの利活用」という解決策がマッチしているか
・事業実施地域のモデル的な取組であるか
(3)計画目標値の審査
以下の①及び②において、それぞれ2%以上の計画となっているか
①労働生産性の向上率
②独自指標における向上率
審査項目は多くありませんし、申請書の記載事項も比較的負担の少ない内容ですが、上記の通り、事前準備はそれなりに時間がかかることが想定されます。
本補助金に興味をお持ちの方は、余裕を持って申請できるよう、お早めにご検討ください。
ツバイソ株式会社
取締役 地主 晋弥(ジヌシ シンヤ)
1977年生まれ。秋田県出身。
国立理系大学を卒業後、技術系の職種を経て、ITと会計への関心を持ちつつ、
経営全般に携わる仕事を求めブルドッグウォータ株式会社に入社。2012年10月より同社マネージャ。
累計100社超の顧問先の経営サポート、経営コンサルティングに従事。2015年、ツバイソ株式会社取締役就任。
「仕事は楽しく」がモットー。
中小企業の経営のあり方を見つめ直し、最新のテクノロジーと経営メソドロジーにより「楽しゴトをする社会」の実現に取り組む。