導入事例

広告代理業・クリエイティブ業のERP ── 社内制作と外注と媒体仕入れを、1つの案件の下に置く

社内制作・外注・媒体仕入れを1つの案件の下に置く、広告代理業・クリエイティブ業のERP
社内制作・外注・媒体仕入れを1つの案件の下に置く、広告代理業・クリエイティブ業のERP

広告代理業・クリエイティブ業では、1つの案件に社内の制作、外部のパートナー、媒体の仕入れが同時にぶら下がります。そのため案件の採算は、外注の請求が出そろうまで確定しません。この記事は、広告代理店・制作会社・デザイン会社・イベント会社で繰り返し現れる課題と、RobotERPツバイソでそれをどう解くかを、機能に即してまとめたものです。個別のお客様に触れず、この業種に共通する型として扱います。


この業種で繰り返し起きる5つの課題

社内制作・外注・媒体仕入れが1案件に同居し、原価が1か所に集まらない構造
社内制作・外注・媒体仕入れが1案件に同居し、原価が1か所に集まらない構造

1. 1案件に、社内制作・外注・媒体仕入れが同時にぶら下がる

1つの案件の中に、社内デザイナーの工数、制作会社への外注、フリーランスへの委託、媒体の仕入れが混在します。それぞれ発注の相手も支払のタイミングも違うため、案件の原価が1か所に集まりません。

2. 案件の採算が、外注の請求が出そろうまで確定しない

外注費は請求書が届いてから集まります。制作が終わって納品したあとに、原価が積み上がって初めて粗利が見えます。採算が想定を下回っていたことに気づくのは、次の見積を出したあとです。

3. 媒体費の扱いで、売上の見え方が変わる

媒体費を立て替えて仕入れる取引では、売上を総額で計上するか純額で計上するかによって、同じ商売でも売上高が大きく変わります。会計方針として決めた扱いと、現場が管理している数字がずれていると、経営会議で見ている売上と決算の売上が一致しません。

4. 進行中の案件が多く、どれが遅れているのか見えない

短い案件が同時に何十件も走ります。担当者は自分の案件を把握していても、会社として、どの案件が進んでいてどれが止まっているのかは、聞いて回らないと分かりません。

5. クリエイティブの工数が、原価に乗らない

社内のデザイナー・ディレクター・コピーライターの時間は、案件の原価そのものです。ところが工数の入力が業務システムと別の場所にあると続かず、結果として社内工数が原価に乗らないまま、外注費だけで粗利を語ることになります。


RobotERPツバイソでの解決方法

原価が別々の場所に集まる状態と、同じ案件の下に集まる状態の対比。案件の採算が確定する時期が変わる
原価が別々の場所に集まる状態と、同じ案件の下に集まる状態の対比。案件の採算が確定する時期が変わる

案件を起点に、売上と調達を1本の線に通す

ツバイソPSAは、取引先・案件を起点に業務プロセスを組み立てます。売上プロセスは商談連携・見積・受注・納品・請求・入金予定・売上、調達プロセスは調達依頼・見積依頼・発注・検収・仕入経費・支払・支払予定まで、同じ案件の下に一続きで並びます。制作会社への外注も、フリーランスへの委託も、媒体の仕入れも、同じ案件の下に置けます。

発注が案件に紐づいているため、外注費を後から案件へ割り付ける作業が要りません。原価を後から集める作業ではなく、案件の下に集まった結果を読む形になります。

案件の下で、売上と原価が別々に積み上がる

媒体費を総額で計上する場合と純額で計上する場合で、売上高と売上原価の見え方がどう変わるかの対応表
媒体費を総額で計上する場合と純額で計上する場合で、売上高と売上原価の見え方がどう変わるかの対応表

案件の下で、売上と原価がそれぞれ独立して積み上がります。媒体費の扱いを総額と純額のどちらで決めている場合でも、元になる数字は同じ場所から取れます。総額で計上する場合は媒体費を仕入として売上原価に立て、純額で計上する場合は手数料にあたる商品・サービスを売上として立てます。どちらの場合も原価は同じ案件の下に集まっているため、会計方針として決めた表示と、現場が見ている案件の粗利が、同じデータから出ます。方針そのものは会社ごとにご判断いただくもので、当社は設定の側でご支援します。

社内の工数を、原価に乗せる

工数は、作業内容別・取引先別・案件別・社員別に集計されます。工数から原価への換算に使う単価は人件費レートマスタが持ち、1か所で更新すれば以降の原価計算に反映されます。

ライセンスは、フル機能・営業機能・プロマネ機能・調達機能・経費精算・工数登録といった役割別に分かれており、必要な範囲だけを付与できます。デザイナーやディレクターには工数の入力に必要な範囲だけを配る、という構成が組めます。工数の入力欄が案件情報と同じ画面にあることも、運用が定着する理由です。

進行中の案件を、一覧で見る

進捗は、全体をカンバン形式で、個別の案件をプログレスバーで確認できます。同時に何十件も走っていても、どの案件がどのフェーズにあるかを聞いて回らずに把握できます。

外注のやりとりは、電子取引で相手側に登録していただく

外注の管理が重くなる理由の多くは、相手から届いた紙やPDFを自社システムへ再入力する工程が、毎月残っていることにあります。ツバイソ電子取引を使うと、制作会社やフリーランスは見積・納品・請求をご自身で登録でき、その内容は発注と案件に紐づいた状態で入ってきます。委託先にご登録いただければ、受け取る側の作業は確認と承認に寄せられます。電子取引でやりとりした書類は、そのままデータとして保存されます。電子帳簿保存法が求める電子取引データの保存にも、この流れの中で対応しています。


管理会計 ── 見積を作った時点で、月次の損益計画が立つ

月ごとに予定と実績の棒が並ぶ管理会計の図。予定は見積・受注・発注から自動で計上され、実績は売上・工数・仕入経費から入る
月ごとに予定と実績の棒が並ぶ管理会計の図。予定は見積・受注・発注から自動で計上され、実績は売上・工数・仕入経費から入る

見積を保存すると、管理会計に「予定」として計上される

見積の明細を保存すると、その内容が管理会計へ自動で計上されます。商品・サービスのマスタに収益の計上根拠と勘定の対応を設定しておくことが前提です。しかも収益の計上根拠に応じて、どの月に計上するかまで決まります。

  • 納品時に計上する契約 ── 納品予定日の月に、見積金額をそのまま
  • 期間で按分する契約(運用・保守) ── 計上開始予定日から、金額を期間の月数で割った額を毎月
  • 実績数量で計上する契約 ── 見込金額を期間で割った額を毎月

売上だけでなく原価も同時に計上されます。つまり見積を作った時点で、月ごとの売上・原価・粗利の見通しが立ちます。表計算で損益計画を組み直す作業が要りません。

予定と実績が、同じ表の同じ軸に並ぶ

案件が進むにつれて、受注・納品・発注・検収が「予定」として積み上がります。そして売上・仕入経費・工数・経費精算が「実績」として、同じ表に入ります。

並ぶ軸も同じです ── 計上月・案件・取引先・部門・商品サービス、そして自社で定義したセグメント。予定と実績が同じ軸に並ぶため、予実の比較に集計作業が要りません。

見えるのは売上高・売上原価・売上総利益・営業利益です。制作原価は材料費・労務費・経費(外注費を含む)・製造間接費に分かれるので、「社内の工数が想定より掛かっている」のか「外注が膨らんでいる」のかを切り分けられます。

案件の予実と、部門の予実

案件には粗利予算・総費用予算・粗利率予算を設定でき、月次推移でどの月からずれ始めたかまで追えます。原価の予算は制作指図の単位で、制作予算・調達予算・制作間接費予算に分けて置けます。

部門の単位では、予算プラン(当初予算・修正予算といった複数の版)を登録しておくと、実績の積み上がりと予算を合わせて当期の着地を見通せます。

受注の見込み

案件ごとに受注の目標金額と確度を設定でき、期待受注額(目標×確度)が自動で算定されます。受注プロセスへ進んだ案件は確度100%として扱うため、確度が更新されないまま残っている案件を一覧で識別できます。


会計まで一気通貫であることの意味

業務プロセスの上に財務会計と管理会計が積み上がり、上流の入力が決算まで通る構造
業務プロセスの上に財務会計と管理会計が積み上がり、上流の入力が決算まで通る構造

ツバイソPSAはツバイソERPとAPIで連携し、債権債務管理・財務会計・管理会計まで一続きにつながります。案件の数字と決算の数字が同じ基盤から得られるため、管理会計のために別途集計する工程が要りません。

媒体費の扱いのように、会計方針の判断が売上の見え方を大きく変える業種では、現場の管理と決算が同じデータから出ていることが、説明のしやすさに直結します。総額と純額のどちらを採る場合でも、元になる数字は同じ場所にあります。

ツバイソPSAはSalesforceの基本機能を含む形でご提供しており、Salesforceを別途ご購入いただく必要はありません。商談から先の業務プロセスが同じ基盤の上に乗ります。


AIから自然言語で扱える

レポートをあらかじめ用意する方法と、問いの形でAIに聞く方法の対比
レポートをあらかじめ用意する方法と、問いの形でAIに聞く方法の対比

2026年に提供を開始したTsubaiso Intelligenceは、画面を介さず、お使いのAIから自然言語でRobotERPツバイソを操作できる仕組みです。

前の節で見た管理会計の表は、そのままAIに問える対象になります。「今月納品予定の案件で、粗利率が予算を下回っているものは」「この制作会社への発注残は」「デザイナー別の今月の工数は」といった問いに、AIが実データを引いて答えます。

レポートをあらかじめ用意しておく必要がありません。予実の表は軸が多く、見たい切り口はそのつど変わります。問いの形で聞けることは、この点が大きな違いです。

短い案件が数多く動く業種では、あらかじめ用意したレポートでは間に合わない問いが日々生まれます。得意先別、媒体の種類別、担当者別 ── 見たい切り口はそのつど変わります。


利用者の評価

RobotERPツバイソを実際にお使いの方が投稿した評価を、ERP・基幹システムの口コミ・評判でご覧いただけます。広告・制作と同じく、受注した案件ごとに原価を集めて採算を見る会社からのレビューです。


検討の進め方

要件一覧・選定基準・ROI算定・デモ・トライアル・PoCという6段階の検討の流れ
要件一覧・選定基準・ROI算定・デモ・トライアル・PoCという6段階の検討の流れ

基幹システムは、一度導入すると長期にわたって使い続けるものです。その重さに見合う検討ができるよう、順序と道具を用意しています。製品のご説明に入る前に、次の6段階の進め方をご用意しています。

  1. 要件一覧で、要件をまとめる
    当社が導入実績から体系化した740項目以上の要件一覧に、「必要性」と「現在の課題」を記入していただきます。外注の管理と工数の入力に関わる要件を先に見ていただくと進みが早くなります。当社は各項目の対応区分と説明を回答し、標準機能との適合率を算定してお返しします。記入の進め方についてもご相談を承ります。ご提供はNDA締結後に承ります。
  2. ERPの選定基準をつくる
    提案を比較するための評価ガイド、RFPテンプレート、採点シートをお渡しします。用語の定義を最初に揃えることで、各社の回答が同じ粒度で並びます。とくに重要なのが「カスタマイズをどの方式で実装するか」という軸です。同じ「カスタマイズできます」という回答でも、製品の中核を書き換えるのか、プラットフォームの上の設定として持つのかで、長期の総所有コストは大きく変わります。この違いが評価に載るかどうかで、選定の質が決まります。
  3. ROIを算定する
    要件一覧で「必要性が高く、いま課題がある」とされた項目には、損益改善のシナリオが紐づいています。そこから年間の改善見込み額を積み上げ、初期・運用・将来のコストと突き合わせて、累計ROI・回収期間・NPV・IRRを算定します。稟議に載せられる形の根拠が揃います。
  4. デモで、実際の動きを見る
    実際の証憑や、現在ご利用中のExcelをご提供いただき、AIがデータを整理し、取り込む様子をご覧いただきます。カタログではなく、お客様のデータで実際の動きを確かめていただく場です。
  5. トライアルで、自分たちで触る
    30日間、実際の操作をお試しいただけます。お申し込みの手続きについても、あわせてご案内します。
  6. PoCで、小さく確かめてから決める
    実データで効果を検証します。ここで作った設定とデータは、そのまま本番へ引き継げます。PoCの結果を確認したうえで本格導入の形を選べるため、判断材料が揃った状態で意思決定していただけます。

この順序には理由があります。要件が固まっていなければ選定基準は作れず、選定基準がなければROIの前提が置けません。順序を踏むほど、後続の判断が確かなものになります。

基幹システムの入れ替えは、日常の業務改善とは頻度も影響範囲も異なる意思決定です。当社がここで担っているのは、製品の説明よりも前に、何をどの順で決めるか、部門をまたぐ要件をどう束ねるか、社内の合意をどう積み上げるかという進め方そのものです。長くお使いいただく仕組みを選んでいただく以上、その判断が確かなものになるまで、誠実に伴走します。


検討に使える資料

上の1〜3で使う資料に、背景となる考え方をまとめた2点を加えた5点を、まとめてダウンロードいただけます。

  • システム要件一覧の作り方 ── 740項目以上の要件一覧に「必要性」と「現在の課題」を記入していただく進め方(PDF・11ページ)
  • 次期基幹システム(ERP)選定 評価ガイド ── 評価基準・RFP・TCO算定を1つにまとめた選定のフレームワーク(PDF・27ページ)
  • PL改善ROI 算定の手引き ── 累計ROI・回収期間・NPV・IRRを根拠のある数字として組み立てる手引き(PDF・12ページ)
  • AI時代の働き方の変革と、これからのERPの要件 ── 仕事の重心が移るとき、基盤の側に何が必要になるか(PDF・10ページ)
  • 生産性向上を実現するタレント・オリエンテッド経営フレームワーク ── モチベーション・権限と責任・エンタープライズアプリケーションの3要素(PDF・14ページ)

5点の資料をダウンロードする


あわせてご覧ください

ページ先頭に戻る