ソフトウェア開発業・IT業のERP ── SESも請負も進行基準も、案件の採算を進行中に見る

受託開発と準委任、そして自社サービス。この会社の中には複数の事業が並び、さらに1つの案件の中にも複数の契約形態が混ざります。請負で作った成果物を準委任で保守し、そこへ自社サービスの利用料が乗る、という形は珍しくありません。事業の混在と案件の混在が重なると、案件ごとの採算は月次を締めたあとにしか見えなくなります。この記事は、ソフトウェア開発業・システム開発業・IT業で繰り返し現れる課題と、RobotERPツバイソでそれをどう解くかを、機能に即してまとめたものです。受託開発、SIer・システムインテグレータ、SES・技術者派遣、自社サービスのいずれを主業としていても、案件と人の稼働で採算が決まる点は共通します。個別のお客様に触れず、この業種に共通する型として扱います。
この業種で繰り返し起きる5つの課題

1. 案件の採算が、締めてからしか分からない
工数は表計算やチャットに散り、外注費は請求書が届いてから集まるため、原価が固まるのは月次を締めたあとになります。原価が確定する時点では、その案件はすでに完了しています。採算が悪かった案件について、なぜそうなったかを後から議論することはできても、進行中に手を打つことはできません。
2. 契約の形ごとに、収益の計上根拠が異なる
請負は検収時、準委任は実績時間、保守とサブスクリプションは期間按分と、収益の計上根拠が契約の形ごとに異なります。長期の受託では進行基準を採ることもあります。問題は、これらが会社の中に並んでいるだけでなく、1つの案件の中にも同居することです。同じ顧客の同じ案件で、開発は請負、その後の運用支援は準委任、基盤の利用は月額、という組み合わせになります。契約ごとに個別に判断して計上すると、月次決算の作業量と確認工数が積み上がります。
3. SESは、契約金額よりも月次の増減実績の管理が重い
SES・準委任では、契約時に金額として確定するのは単価と精算幅(下限・上限)で、実際の請求額は月ごとの稼働時間で変動します。稼働が精算幅を下回れば控除、上回れば超過となります。契約金額だけを管理する仕組みでは、この毎月の増減を算定して転記する負荷が月末に集中し、要員が増えるほど大きくなります。
4. 協力会社への発注でも、同じ管理がもう一度必要になる
協力会社に出している分にも、対称の構造があります。協力会社ごとの単価と精算幅があり、毎月の稼働で控除・超過が動きます。売り側と買い側で同じ算定を二重に行い、しかもそれぞれ別の表で管理しているという状態になりがちです。加えて、協力会社からの見積・納品・請求・稼働実績はメールやPDFで届くため、自社システムへ再入力する工程が毎月残ります。
5. 先の数字が読めない
いま動いている案件の着地と、これから決まる案件の見込みが別々の場所にあると、今期がどこへ着地するのかを、期の途中で説明できません。
RobotERPツバイソでの解決方法

案件を起点に、売上と調達を1本の線に通す
ツバイソPSAは、取引先・案件を起点に業務プロセスを組み立てます。売上プロセスは商談連携・見積・受注・納品・請求・入金予定・売上、調達プロセスは調達依頼・見積依頼・発注・検収・仕入経費・支払・支払予定まで、同じ案件の下に一続きで並びます。発注が案件に紐づいているため、外注費を後から案件へ割り付ける作業が要りません。
進捗は、全体をカンバン形式で、個別の案件をプログレスバーで確認できます。
SESは、基準・控除・超過の3明細で組む ── しかも売り買いが対称

ツバイソPSAでは、SES・準委任の契約をランクごとに「基準・控除・超過」の3つの明細で組み立てます。基準は人月単価、控除は精算幅を下回ったときの時間単価(マイナス)、超過は上回ったときの時間単価です。見積の時点では控除と超過の数量を空欄にしておき、実績月に時間を入力すると、その月の請求額が自動で調整されます。収益は、実績時間にもとづく役務提供の収益として認識されます。
そして、協力会社への発注も、対称の構造で組み立てられます。協力会社を仕入先として登録し、ランクごとに基準・控除・超過の料金体系を持たせます。発注の登録から原価の予定が立ち、実績月に控除・超過の時間を入力して調整します。
売り側と買い側が同じ案件にぶら下がるため、収益から費用を引いた案件粗利がそのまま算出されます。二重に管理する必要がありません。原価計算票の中では、協力会社への支払は外注費、自社社員の工数は労務費として、別の費目に集計されます。
協力会社とのやりとりは、電子取引で相手側に登録していただく
外注の管理が重くなる理由の多くは、相手から届いた紙やPDFを自社システムへ再入力する工程が、毎月残っていることにあります。ツバイソ電子取引は、この再入力そのものをなくす仕組みです。
発注を電子取引のチャネルで出すと、協力会社は見積・納品・請求・稼働実績を、ご自身で登録できます。登録された内容は発注と案件に紐づいた状態で入ってくるため、協力会社にご登録いただければ、受け取る側の作業は確認と承認に寄せられます。電子取引でやりとりした書類は、そのままデータとして保存されます。電子帳簿保存法が求める電子取引データの保存にも、この流れの中で対応しています。
同じ仕組みは得意先との間でも使えます。受注・発注、納品・検収、請求・支払通知をデジタル化することで、両社の間に生じる転記と突合の工程を減らせます。
進行基準は、進捗率が自動的に決まる
長期の受託開発で進行基準を採る場合、ツバイソPSAは取引価格に進捗率を掛けて期中の収益を計上します。進捗率は、実績原価を予想原価で割った値です。
予想原価は見積の段階で制作予算として置き、実績原価は配員のタイムチャージ(工数)と外注費・経費から原価計算票に積み上がります。工数を入力する運用が定着していれば、進捗率は人が決める値ではなく、集まった原価から算出される値になります。期中の計上は進行基準用の区分で行い、最終の検収時に累計との差額を調整して確定します。
月次で「工数の入力 → 原価計算 → 進行基準の収益計上 → 管理会計への反映」が一巡します。
全社員が工数を入力できる状態をつくる
工数は、作業内容別・取引先別・案件別・社員別に集計されます。これを支えるのがライセンスの構成です。ツバイソPSAのライセンスはフル機能・営業機能・プロマネ機能・調達機能・経費精算・工数登録という役割別に分かれており、必要な範囲だけを付与できます。マネジメントと管理部門はフル機能、プロジェクトマネージャーはプロマネ機能、現場のエンジニアは工数登録だけ ── という構成を組めるため、全社員に工数を入力していただく運用が、無理なく成り立ちます。
工数の入力欄が案件情報と同じ画面にあることも、入力の運用が定着する理由です。
管理会計 ── 見積を作った時点で、月次の損益計画が立つ

見積を保存すると、管理会計に「予定」として計上される
見積の明細を保存すると、その内容が管理会計へ自動で計上されます。商品・サービスのマスタに収益の計上根拠と勘定の対応を設定しておくことが前提です。しかも収益の計上根拠に応じて、どの月に計上するかまで決まります。
- 検収時に計上する契約 ── 納品予定日の月に、見積金額をそのまま
- 期間で按分する契約 ── 計上開始予定日から、金額を期間の月数で割った額を毎月
- 実績時間で計上する契約 ── 見込金額を期間で割った額を毎月
売上だけでなく原価も同時に計上されます。つまり見積を作った時点で、月ごとの売上・原価・粗利の見通しが立ちます。表計算で損益計画を組み直す作業が要りません。
予定と実績が、同じ表の同じ軸に並ぶ
案件が進むにつれて、受注・納品・発注・検収が「予定」として積み上がります。そして売上・仕入経費・工数・経費精算が「実績」として、同じ表に入ります。
並ぶ軸も同じです ── 計上月・案件・取引先・部門・商品サービス、そして自社で定義したセグメント。予定と実績が同じ軸に並ぶため、予実の比較に集計作業が要りません。
見えるのは売上高・売上原価・売上総利益・営業利益です。制作原価は材料費・労務費・経費(外注費を含む)・製造間接費に分かれるので、「自社の工数が想定より掛かっている」のか「協力会社への支払が膨らんでいる」のかを切り分けられます。
案件の予実と、部門の予実
案件には粗利予算・総費用予算・粗利率予算を設定でき、月次推移でどの月からずれ始めたかまで追えます。原価の予算は制作指図の単位で、制作予算・調達予算・制作間接費予算に分けて置けます。
部門の単位では、予算プラン(当初予算・修正予算といった複数の版)を登録しておくと、実績の積み上がりと予算を合わせて当期の着地を見通せます。
受注の見込み
案件ごとに受注の目標金額と確度を設定でき、期待受注額(目標×確度)が自動で算定されます。受注プロセスへ進んだ案件は確度100%として扱うため、確度が更新されないまま残っている案件を一覧で識別できます。
会計まで一気通貫であることの意味

ツバイソPSAはツバイソERPとAPIで連携し、債権債務管理・財務会計・管理会計まで一続きにつながります。案件の数字と決算の数字が同じ基盤から得られるため、管理会計のために別途集計する工程が要りません。
IT・ソフトウェア開発の会社では、上場準備や監査対応で「その数字はどこから来たのか」の説明を求められる場面があります。プロセスの上流から会計まで1本でつながっていることが、その説明を支えます。
ツバイソPSAはSalesforceの基本機能を含む形でご提供しており、Salesforceを別途ご購入いただく必要はありません。商談から先の業務プロセスが同じ基盤の上に乗ります。
AIから自然言語で扱える ── カスタマイズも自社で行える

2026年に提供を開始したTsubaiso Intelligenceは、画面を介さず、お使いのAIから自然言語でRobotERPツバイソを操作できる仕組みです。
前の節で見た管理会計の表は、そのままAIに問える対象になります。「今月の予定と実績の差が大きい案件は」「この協力会社への支払が予算を超えている案件は」「粗利率が予算を下回っている案件を、部門別に」といった問いに、AIが実データを引いて答えます。
レポートをあらかじめ用意しておく必要がありません。予実の表は軸が多く、見たい切り口はそのつど変わります。問いの形で聞けることは、この点が大きな違いです。
もうひとつの使い道が、カスタマイズや帳票を自社で作れるようになることです。軽微な画面の調整や帳票の制作は、Tsubaiso Intelligenceを使って自社で進められます。IT・ソフトウェア開発の会社であれば、技術者が社内にいるという強みをそのまま活かせる領域です。
これには2つの意味があります。ひとつは、外部に委託する作業を減らせることです。もうひとつは、業務設計の判断そのものが社内に残ることです。基幹システムは長く使うものなので、「なぜこの設定にしたのか」を自社で説明できる状態は、後年になるほど価値を持ちます。あわせて、AIが仕様を可視化するため、小さなカスタマイズを重ねてもブラックボックスになりにくいという性質もあります。
利用者の評価
RobotERPツバイソを実際にお使いの方が投稿した評価を、ERP・基幹システムの口コミ・評判でご覧いただけます。ソフトウェア開発・システムインテグレータ・IT/WEBサービスなど、顧客と案件を軸に業務が動く会社からのレビューです。
検討の進め方

基幹システムは、一度導入すると長期にわたって使い続けるものです。その重さに見合う検討ができるよう、順序と道具を用意しています。製品のご説明に入る前に、次の6段階の進め方をご用意しています。
- 要件一覧で、要件をまとめる
当社が導入実績から体系化した740項目以上の要件一覧に、「必要性」と「現在の課題」を記入していただきます。関係部署で分担いただく形が向いており、1週間ほどで仕上がる会社から1か月ほどかかる会社までさまざまです。当社は各項目の対応区分と説明を回答し、標準機能との適合率を算定してお返しします。記入の進め方についてもご相談を承ります。ご提供はNDA締結後に承ります。 - ERPの選定基準をつくる
提案を比較するための評価ガイド、RFPテンプレート、採点シートをお渡しします。用語の定義を最初に揃えることで、各社の回答が同じ粒度で並びます。とくに重要なのが「カスタマイズをどの方式で実装するか」という軸です。同じ「カスタマイズできます」という回答でも、製品の中核を書き換えるのか、プラットフォームの上の設定として持つのかで、長期の総所有コストは大きく変わります。この違いが評価に載るかどうかで、選定の質が決まります。 - ROIを算定する
要件一覧で「必要性が高く、いま課題がある」とされた項目には、損益改善のシナリオが紐づいています。そこから年間の改善見込み額を積み上げ、初期・運用・将来のコストと突き合わせて、累計ROI・回収期間・NPV・IRRを算定します。稟議に載せられる形の根拠が揃います。 - デモで、実際の動きを見る
実際の証憑や、現在ご利用中のExcelをご提供いただき、AIがデータを整理し、取り込む様子をご覧いただきます。カタログではなく、お客様のデータで実際の動きを確かめていただく場です。 - トライアルで、自分たちで触る
30日間、実際の操作をお試しいただけます。お申し込みの手続きについても、あわせてご案内します。 - PoCで、小さく確かめてから決める
実データで効果を検証します。ここで作った設定とデータは、そのまま本番へ引き継げます。PoCの結果を確認したうえで本格導入の形を選べるため、判断材料が揃った状態で意思決定していただけます。
この順序には理由があります。要件が固まっていなければ選定基準は作れず、選定基準がなければROIの前提が置けません。順序を踏むほど、後続の判断が確かなものになります。
基幹システムの入れ替えは、日常の業務改善とは頻度も影響範囲も異なる意思決定です。当社がここで担っているのは、製品の説明よりも前に、何をどの順で決めるか、部門をまたぐ要件をどう束ねるか、社内の合意をどう積み上げるかという進め方そのものです。長くお使いいただく仕組みを選んでいただく以上、その判断が確かなものになるまで、誠実に伴走します。
検討に使える資料
上の1〜3で使う資料に、背景となる考え方をまとめた2点を加えた5点を、まとめてダウンロードいただけます。
- システム要件一覧の作り方 ── 740項目以上の要件一覧に「必要性」と「現在の課題」を記入していただく進め方(PDF・11ページ)
- 次期基幹システム(ERP)選定 評価ガイド ── 評価基準・RFP・TCO算定を1つにまとめた選定のフレームワーク(PDF・27ページ)
- PL改善ROI 算定の手引き ── 累計ROI・回収期間・NPV・IRRを根拠のある数字として組み立てる手引き(PDF・12ページ)
- AI時代の働き方の変革と、これからのERPの要件 ── 仕事の重心が移るとき、基盤の側に何が必要になるか(PDF・10ページ)
- 生産性向上を実現するタレント・オリエンテッド経営フレームワーク ── モチベーション・権限と責任・エンタープライズアプリケーションの3要素(PDF・14ページ)
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- プロフェッショナル・サービス・オートメーション(PSA) ── 機能とライセンスの詳細
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