導入事例

製造業・組立業のERP ── 受注ごとに作る製品の原価を、作っている最中に見る

受注ごとに作る製品の原価を作っている最中に見る、製造業・組立業のERP
受注ごとに作る製品の原価を作っている最中に見る、製造業・組立業のERP

受注生産や組立の会社では、1件ごとに構成も工数も変わります。それにもかかわらず、製品ごとにいくら掛かったかが分かるのは、完成して締めたあとという形になりがちです。この記事は、製造業・組立業で繰り返し現れる管理の課題と、RobotERPツバイソでそれをどう扱うかを、機能に即してまとめたものです。個別受注生産、装置・機械の組立、電気・電子機器の製造、金属加工、試作・特注品の製作のいずれでも、案件ごとに原価を積み上げて採算を見る点は共通します。個別のお客様に触れず、この業種に共通する型として扱います。

なお、この記事で扱うのは原価計算・在庫・調達・管理会計の部分です。生産スケジューラや設備制御そのものは対象ではありません。


この業種で繰り返し起きる5つの課題

受注ごとの構成の違い・部材の調達・在庫という、製造業で原価が見えにくくなる3つの入り口
受注ごとの構成の違い・部材の調達・在庫という、製造業で原価が見えにくくなる3つの入り口

1. 受注ごとに構成が変わり、原価の見積が経験に頼る

同じような製品でも、受注ごとに仕様が変わります。過去にいくらで作ったかが1件ずつ探さないと出てこないと、見積の根拠は担当者の経験に寄ります。その結果、受注してから採算が合わないと分かることが起こります。

2. 部材の調達と、製造の進み方がつながっていない

部材の発注は購買が、製造の進み方は現場が管理する。どちらも動いているのに、この製造にどの部材がいくつ必要で、いま何が足りないのかが1か所に無いため、着手してから部材待ちで止まります。

3. 在庫の数と、帳簿の数が合わない

倉庫の実際の数と、システム上の数がずれます。受入・払出・返却の記録が抜けると、棚卸のたびに差異を調べる作業が発生します。在庫金額は決算の数字でもあるため、この差異は監査の指摘にもつながります。

4. 社内の工数が、製品の原価に乗らない

加工・組立・検査に掛かった時間は、製品の原価そのものです。ところが工数の入力が業務システムと別の場所にあると続かず、材料費と外注費だけで原価を語ることになります。その原価で見積を作れば、次の案件も同じずれを繰り返します。

5. 仕掛品の評価が、期末の作業になっている

期末時点で作りかけの製品がいくら分あるか。この計算を表計算で毎期作り直していると、根拠を説明するのに手間が掛かります。監査での説明も、担当者の記憶に頼る形になりがちです。


RobotERPツバイソでの解決方法

部材・工数・外注が、受注した製造の下に集まって原価になる構造
部材・工数・外注が、受注した製造の下に集まって原価になる構造

受注から製造へ、自動でつなぐ

受注明細に「受注制作品」の印を付けたうえで受注から作成を指示すると、対象の明細について制作指図(製造の指示と原価の集計単位)がまとめて自動で作られます。契約と製造が別々に立ち上がりません。

制作指図には原価計算票が自動で作られ、そこへ直接材料費・直接労務費・直接経費(外注加工費を含む)・製造間接費が集まります。予算と実績が同じ単位で並ぶため、作っている最中にずれが見えます。

製造の原価が直接材料費・直接労務費・直接経費・製造間接費の4つの費目から積み上がる構造
製造の原価が直接材料費・直接労務費・直接経費・製造間接費の4つの費目から積み上がる構造

部材の投入を、資材明細で記録する

制作指図の下に資材明細を置き、どの部材をいくつ投入するかを記録します。製品マスタに紐づく部品表(BOM)を標準で持つ形ではなく、製造1件ごとの投入明細として持つ形です。繰り返し作る製品は、資材明細をひな型として複製する運用になります。投入した部材は在庫から引き落とされ、その金額が材料費として製造の原価へ入ります。

部材の調達が要る場合は、制作指図から調達依頼や発注を自動で作れます。製造の側から見て、何をいくつ手配したかが同じ画面で追えます。

過去に同じような製品をいくらで作ったかは、管理会計の側で商品・サービス別・案件別に残ります。次の見積を、担当者の記憶ではなく前回の実績原価から起こせます。

在庫は、受入と払出の記録から積み上げる

ツバイソIMAでは、在庫の増減がすべて受払として記録されます。仕入の検収で増え、製造への投入で減り、売上の納品で減る。棚卸の差異調整、倉庫間の移動、廃棄は入出庫として記録されます。

在庫は倉庫・棚・ロットの単位まで持てるため、どの倉庫のどの棚にいくつあるかが、帳簿の側で分かります。在庫品の評価方法は、商品・サービスごとに移動平均法・標準原価法・評価しない のいずれかを選べます。

社内の工数を、原価に乗せる

工数は、作業内容別・取引先別・案件別・社員別に集計されます。工数から原価への換算に使う単価は人件費レートマスタが持ち、1か所で更新すれば以降の原価計算に反映されます。

ライセンスは、フル機能・営業機能・プロマネ機能・調達機能・経費精算・工数登録といった役割別に分かれており、必要な範囲だけを付与できます。現場の作業者には工数の入力に必要な範囲だけを配る、という構成が組めます。入力欄が製造の情報と同じ画面にあることも、運用が定着する理由です。

仕掛品と完成品を、原価の側で分けて持つ

制作指図の原価は、仕掛品・完成品・売上原価へ振り替わった分に分けて保持されます。期末に作りかけの製品がいくら分あるかを、表計算で作り直さずに済みます。


管理会計 ── 見積を作った時点で、月次の損益計画が立つ

月ごとに予定と実績の棒が並ぶ管理会計の図。予定は見積・受注・発注から自動で計上され、実績は売上・工数・仕入経費から入る
月ごとに予定と実績の棒が並ぶ管理会計の図。予定は見積・受注・発注から自動で計上され、実績は売上・工数・仕入経費から入る

見積を保存すると、管理会計に「予定」として計上される

見積の明細を保存すると、その内容が管理会計へ自動で計上されます。商品・サービスのマスタに収益の計上根拠と勘定の対応を設定しておくことが前提です。しかも収益の計上根拠に応じて、どの月に計上するかまで決まります。

  • 納品時に計上する契約 ── 納品予定日の月に、見積金額をそのまま
  • 月額の保守・サービス契約 ── 計上開始予定日から、金額を期間の月数で割った額を毎月
  • 数量が確定してから計上する契約 ── 見込金額を期間で割った額を毎月

売上だけでなく原価も同時に計上されます。つまり見積を作った時点で、月ごとの売上・原価・粗利の見通しが立ちます。表計算で損益計画を組み直す作業が要りません。

予定と実績が、同じ表の同じ軸に並ぶ

案件が進むにつれて、受注・納品・発注・検収が「予定」として積み上がります。そして売上・仕入経費・工数・経費精算が「実績」として、同じ表に入ります。

並ぶ軸も同じです ── 計上月・案件・取引先・部門・商品サービス、そして自社で定義したセグメント。予定と実績が同じ軸に並ぶため、予実の比較に集計作業が要りません。

見えるのは売上高・売上原価・売上総利益・営業利益です。制作原価は材料費・労務費・経費(外注費を含む)・製造間接費に分かれるので、「社内の工数が想定より掛かっている」のか「部材の調達が膨らんでいる」のかを切り分けられます。

案件の予実と、部門の予実

案件には粗利予算・総費用予算・粗利率予算を設定でき、月次推移でどの月からずれ始めたかまで追えます。原価の予算は制作指図の単位で、制作予算・調達予算・制作間接費予算に分けて置けます。

部門の単位では、予算プラン(当初予算・修正予算といった複数の版)を登録しておくと、実績の積み上がりと予算を合わせて当期の着地を見通せます。

受注の見込み

案件ごとに受注の目標金額と確度を設定でき、期待受注額(目標×確度)が自動で算定されます。受注プロセスへ進んだ案件は確度100%として扱うため、確度が更新されないまま残っている案件を一覧で識別できます。


会計まで一気通貫であることの意味

業務プロセスの上に財務会計と管理会計が積み上がり、上流の入力が決算まで通る構造
業務プロセスの上に財務会計と管理会計が積み上がり、上流の入力が決算まで通る構造

ツバイソPSAはツバイソERPとAPIで連携し、債権債務管理・財務会計・管理会計まで一続きにつながります。案件の数字と決算の数字が同じ基盤から得られるため、管理会計のために別途集計する工程が要りません。

製造では、在庫と仕掛品がそのまま決算の数字になります。受入・払出・完成の記録が会計まで一続きであれば、棚卸資産の評価と製品ごとの採算が同じ出どころから出ます。

ツバイソPSAはSalesforceの基本機能を含む形でご提供しており、Salesforceを別途ご購入いただく必要はありません。商談から先の業務プロセスが同じ基盤の上に乗ります。


AIから自然言語で扱える

レポートをあらかじめ用意する方法と、問いの形でAIに聞く方法の対比
レポートをあらかじめ用意する方法と、問いの形でAIに聞く方法の対比

2026年に提供を開始したTsubaiso Intelligenceは、画面を介さず、お使いのAIから自然言語でRobotERPツバイソを操作できる仕組みです。

前の節で見た管理会計の表は、そのままAIに問える対象になります。「原価が予算を超えている製造は」「この部材の在庫はいまいくつか」「今月完成予定で部材が足りていないものは」といった問いに、AIが実データを引いて答えます。

レポートをあらかじめ用意しておく必要がありません。予実の表は軸が多く、見たい切り口はそのつど変わります。問いの形で聞けることは、この点が大きな違いです。

品目の数が多く、受注ごとに構成が変わるこの業種では、見たい切り口が製品ごと・部材ごとに枝分かれします。製品別、取引先別、部材別、倉庫別 ── 見たい軸の数だけレポートを用意するのは現実的ではありません。


利用者の評価

RobotERPツバイソを実際にお使いの方が投稿した評価を、ERP・基幹システムの口コミ・評判でご覧いただけます。受注した案件ごとに原価を積み上げて採算を見る会社からのレビューです。


検討の進め方

要件一覧・選定基準・ROI算定・デモ・トライアル・PoCという6段階の検討の流れ
要件一覧・選定基準・ROI算定・デモ・トライアル・PoCという6段階の検討の流れ

基幹システムは、一度導入すると長期にわたって使い続けるものです。その重さに見合う検討ができるよう、順序と道具を用意しています。製品のご説明に入る前に、次の6段階の進め方をご用意しています。

  1. 要件一覧で、要件をまとめる
    当社が導入実績から体系化した740項目以上の要件一覧に、「必要性」と「現在の課題」を記入していただきます。原価計算の方法と在庫の持ち方に関わる要件を先に見ていただくと、進みが早くなります。当社は各項目の対応区分と説明を回答し、標準機能との適合率を算定してお返しします。記入の進め方についてもご相談を承ります。ご提供はNDA締結後に承ります。
  2. ERPの選定基準をつくる
    提案を比較するための評価ガイド、RFPテンプレート、採点シートをお渡しします。用語の定義を最初に揃えることで、各社の回答が同じ粒度で並びます。とくに重要なのが「カスタマイズをどの方式で実装するか」という軸です。同じ「カスタマイズできます」という回答でも、製品の中核を書き換えるのか、プラットフォームの上の設定として持つのかで、長期の総所有コストは大きく変わります。この違いが評価に載るかどうかで、選定の質が決まります。
  3. ROIを算定する
    要件一覧で「必要性が高く、いま課題がある」とされた項目には、損益改善のシナリオが紐づいています。そこから年間の改善見込み額を積み上げ、初期・運用・将来のコストと突き合わせて、累計ROI・回収期間・NPV・IRRを算定します。稟議に載せられる形の根拠が揃います。
  4. デモで、実際の動きを見る
    実際の証憑や、現在ご利用中のExcelをご提供いただき、AIがデータを整理し、取り込む様子をご覧いただきます。カタログではなく、お客様のデータで実際の動きを確かめていただく場です。
  5. トライアルで、自分たちで触る
    30日間、実際の操作をお試しいただけます。お申し込みの手続きについても、あわせてご案内します。
  6. PoCで、小さく確かめてから決める
    実データで効果を検証します。ここで作った設定とデータは、そのまま本番へ引き継げます。PoCの結果を確認したうえで本格導入の形を選べるため、判断材料が揃った状態で意思決定していただけます。

この順序には理由があります。要件が固まっていなければ選定基準は作れず、選定基準がなければROIの前提が置けません。順序を踏むほど、後続の判断が確かなものになります。

基幹システムの入れ替えは、日常の業務改善とは頻度も影響範囲も異なる意思決定です。当社がここで担っているのは、製品の説明よりも前に、何をどの順で決めるか、部門をまたぐ要件をどう束ねるか、社内の合意をどう積み上げるかという進め方そのものです。長くお使いいただく仕組みを選んでいただく以上、その判断が確かなものになるまで、誠実に伴走します。


検討に使える資料

上の1〜3で使う資料に、背景となる考え方をまとめた2点を加えた5点を、まとめてダウンロードいただけます。

  • システム要件一覧の作り方 ── 740項目以上の要件一覧に「必要性」と「現在の課題」を記入していただく進め方(PDF・11ページ)
  • 次期基幹システム(ERP)選定 評価ガイド ── 評価基準・RFP・TCO算定を1つにまとめた選定のフレームワーク(PDF・27ページ)
  • PL改善ROI 算定の手引き ── 累計ROI・回収期間・NPV・IRRを根拠のある数字として組み立てる手引き(PDF・12ページ)
  • AI時代の働き方の変革と、これからのERPの要件 ── 仕事の重心が移るとき、基盤の側に何が必要になるか(PDF・10ページ)
  • 生産性向上を実現するタレント・オリエンテッド経営フレームワーク ── モチベーション・権限と責任・エンタープライズアプリケーションの3要素(PDF・14ページ)

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