ERP導入を成功させる鍵 ── 経営課題視点の重要性
皆さん、こんにちは。印具です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれて久しいですが、なかなかうまく進められない、という悩みをお持ちの企業も多いのではないでしょうか?
実は、DXを推進する際に陥りやすい落とし穴の一つに、「業務課題」中心の考え方があります。

目次
「業務課題」中心の考え方のリスク
「業務課題」中心にDXを考えると、どうしても「この業務はこうしたい」「このシステムはこう変えたい」といった個別具体的な意見ばかりが出てきてしまい、全体像が見えにくくなってしまいます。
その結果、
- 総論賛成各論反対になり、なかなか前に進まない
- 部分最適に陥り、全体最適化が図れない
- 全社展開するまでのパワーが足りず、中途半端な結果に終わる
といったリスクが生じてしまいます。
「経営課題」中心の考え方とは?
では、どうすればDXを成功に導けるのでしょうか?
それは、「経営課題」を中心に据えて考えることです。
「経営課題」とは、企業が目指す方向性や達成したい目標を指します。例えば、「売上増加」「コスト削減」「顧客満足度向上」などです。
DXを推進する際は、まず「自社はどのような経営課題を解決したいのか?」を明確にする必要があります。
そして、その解決のために、どのようなデジタル技術を活用できるのか?どのような業務プロセス改革が必要なのか?といったことを検討していくのです。
経営課題をどう捉えるか?
しかし、経営課題を整理し、DXに結びつけるのは容易ではありません。 外部環境や内部環境を分析し、現状と理想のギャップを明確にする必要があります。
例えば、経営課題ワーキングシート(一部抜粋)を使って、経営課題を抽出、分類し、影響度を定量化し、解決したことによる会社の利益をまとめるのは非常に有効です。
ERPの活用でDXを加速
DX推進において、ERP(統合基幹業務システム)は重要な役割を担います。ERPは、企業全体の業務プロセスを標準化し、データの一元管理を可能にすることで、業務効率化、コスト削減、意思決定の迅速化など、様々な効果をもたらします。
ただし、ERPを導入するだけでは、DXは成功しません。 重要なのは、全体最適の視点を持って、ERPを活用することです。
まとめ
DXを成功させるためには、経営課題を中心に据え、全体最適の視点を持って、ERPなどのITツールを効果的に活用することが重要です。
DX推進でお困りの方は、ぜひ一度、業務課題ではなく、経営課題を見つめ直してみてはいかがでしょうか?
この記事について(2026年8月 追記)
この記事は2025年2月に書いたものです。経営課題を中心に据える、という順序はいまも変えていません。当時いちばん重かったのは、経営課題から要件へ降ろした先が遠かったことです。従来のERPでは、要件を決めてから動くものが出るまでに数か月かかるので、確かめる前に決め切らなければならず、ズレに気づくのはリリース後になります。
Tsubaiso Intelligenceでは、項目・画面・承認ワークフロー・業務のロジックの追加をAIが組み立て、反映の直前に人が承認します。小さく作って現物で確かめ、違えば直す往復が回るので、経営課題と実物の距離が縮みました。そのぶん、この記事で書いた「経営課題をどう捉えるか」──外部環境と内部環境を分析し、影響度を定量化する部分──の重みは増しています。そこは人が決めるところで、AIに委ねられる部分ではありません。
あわせてご覧ください。
- ERP導入を成功に導く包括的アクションプラン ── 中小企業のためのRFP簡便化
- 要件定義の落とし穴 ── 経営課題とズレた要件一覧が開発を失敗させる
- ERP導入に必要な要件一覧の作り方 ── 現状分析から優先順位付けまでの4ステップ
ツバイソ株式会社
代表取締役 CEO 印具 毅雄(イング タケオ)
公認会計士、税理士
広島生まれ、福岡育ち。中学生の頃からパソコン、プログラミングが好きで、N88-BASICやマシン語に親しむ。大学、大学院では、AI関連技術のニューラルネットワーク、ファジィシステムとともに遺伝的アルゴリズムの改善研究をC言語で行う。
1999年、修士(芸術工学)。日本知能情報ファジィ学会論文賞受賞「単峰性関数当てはめによるGA(遺伝的アルゴリズム)収束高速化」
インターネットベンチャーを立ち上げるべく、経営の勉強のために公認会計士を取得(公認会計士二次試験2000年合格、登録番号19193)。監査法人トーマツ(Deloitte)を経て、2006年にブルドッグウォータ株式会社の創業、事業開始。
2015年、同社よりRobotERPツバイソ事業を会社分割し、ツバイソ株式会社を設立。

