要件定義の落とし穴 ── 経営課題とズレた要件一覧が開発を失敗させる
こんにちは、印具です。
今回は、システム開発を成功させるために非常に重要な「要件定義」についてお話します。
要件定義とは、システムに求める機能や性能を明確にするプロセスですが、多くの企業がここでつまずき、開発が失敗に終わるケースも少なくありません。
特に、 経営課題とズレた要件一覧を作成してしまう ことが大きな落とし穴となります。

目次
なぜ要件一覧が経営課題とズレてしまうのか?
その原因として、以下の点が考えられます。
- 経営課題が明確に定義されていない: システム開発の目的が曖昧なまま、場当たり的に要件を積み上げてしまう。
- 現場の意見ばかりを重視: 現場のニーズを反映することは重要ですが、経営視点が欠けると、部分最適なシステムになってしまう。
- 開発ベンダー任せ: 要件定義を開発ベンダーに丸投げし、自社の課題やビジョンを共有できていない。
経営課題と整合した要件一覧を作成するには?
では、どのようにすれば経営課題と整合した要件一覧を作成できるのでしょうか?
私が考えるポイントは、以下の3点です。
- 経営課題を明確化し、共有する: システム開発の目的、達成したい目標を、経営層だけでなく、現場の担当者まで共有することが重要です。
- 現場の意見をヒアリングし、経営視点で精査する: 現場のニーズを丁寧にヒアリングしながら、それが本当に経営課題の解決に繋がるのか、優先順位はどうなのかを判断する必要があります。
- 開発ベンダーと密にコミュニケーションを取る: 開発ベンダーはあくまでも「実現する」役割を担います。要件定義は、自社の課題やビジョンを明確に伝え、主体的に取り組むべきです。
要件定義の成功がシステム開発成功の鍵
要件定義は、システム開発の土台となる重要なプロセスです。
経営課題と整合した要件一覧を作成することで、開発の目的が明確になり、プロジェクトの成功率を高めることができます。
ぜひ、今回の内容を参考に、要件定義に取り組んでみてください。
今回は、要件一覧と経営課題の関係について解説しました。
経営課題の取りまとめ方法はこちらの記事をご覧ください。
この記事が、皆様のシステム開発の一助となれば幸いです。
この記事について(2026年8月 追記)
この記事は2025年2月に書いたものです。経営課題とのズレが恐ろしいのは、気づくのがリリース後だからでした。従来のERPでは作り直しが高くつくので、防ぐ方法は要件定義に時間をかけることしかなく、その結果、確かめる前に決め切らなければならないという逆説が起きます。
Tsubaiso Intelligenceでは、小さく作って現物で確かめ、違えば直す、という往復が現実的な速さで回ります。項目・画面・承認ワークフロー・業務のロジックの追加はAIが組み立て、反映の直前に人が承認します。「一度で当てる」前提が緩んだぶん、要件定義の負荷は下がりました。ただし、それは経営課題の整理を省いてよいという意味ではありません。何を確かめるのかが決まっていなければ、往復は空回りするだけだからです。
あわせてご覧ください。
ツバイソ株式会社
代表取締役 CEO 印具 毅雄(イング タケオ)
公認会計士、税理士
広島生まれ、福岡育ち。中学生の頃からパソコン、プログラミングが好きで、N88-BASICやマシン語に親しむ。大学、大学院では、AI関連技術のニューラルネットワーク、ファジィシステムとともに遺伝的アルゴリズムの改善研究をC言語で行う。
1999年、修士(芸術工学)。日本知能情報ファジィ学会論文賞受賞「単峰性関数当てはめによるGA(遺伝的アルゴリズム)収束高速化」
インターネットベンチャーを立ち上げるべく、経営の勉強のために公認会計士を取得(公認会計士二次試験2000年合格、登録番号19193)。監査法人トーマツ(Deloitte)を経て、2006年にブルドッグウォータ株式会社の創業、事業開始。
2015年、同社よりRobotERPツバイソ事業を会社分割し、ツバイソ株式会社を設立。

