ERP導入の新手法 ── Fit to Standard Agileで柔軟性と拡張性を手に入れる
こんにちは。ツバイソの印具です。
今回は、私が考える、これまで説明したERP導入における従来の課題を解決する新しい手法、Fit to Standard Agileをご説明します。
Fit to Standardとアジャイル開発を融合させたこの手法は、ERP導入の負担を軽減し、柔軟性と拡張性を確保する画期的なアプローチです。
今回は、Fit to Standard Agileの概要、メリット、そして導入を成功させるためのポイントについて解説します。

目次
- Fit to Standard Agileとは?
- Fit to Standard Agileのメリット
- Fit to Standard Agile導入のポイント
- まとめ
- この続きと、関連する記事(2026年8月 追記)
Fit to Standard Agileとは?
Fit to Standard Agileとは、Fit to Standardをベースに、アジャイル開発の要素を取り入れたERP導入手法です。
2つのフェーズで構成されています。
- Fit to Standardフェーズ: 標準機能を最大限に活用し、業務プロセスをERPに合わせ込みます。 これにより、カスタマイズを最小限に抑え、迅速な導入とシステムの安定稼働を実現します。
- Agile Extensionフェーズ: 稼働後に明らかになった課題やニーズに対応するため、小規模な開発を継続的に行い、システムを柔軟に拡張していきます。
Fit to Standard Agileのメリット
Fit to Standard Agileは、従来のFit to Standardやカスタマイズ導入といった手法が抱えていた課題を克服し、多くのメリットをもたらします。
- 変化への対応力: 稼働後のAgile Extensionフェーズでも柔軟にシステムを拡張できるため、ビジネスの変化に迅速に対応できます。
- コスト削減: 開発の規模を抑え、開発期間も短縮することで、コストを削減できます。
- リスク軽減: 稼働後に課題を解決するため、事前にすべてを予測する必要がなく、リスクを軽減できます。
- 品質向上: Fit to StandardフェーズとAgile Extensionフェーズで、品質を安定させながら向上させます。
- バージョンアップの容易化: 疎結合設計により、バージョンアップをスムーズに行えます。
- ユーザー要求の明確化: 実際にシステムを稼働させることで、ユーザーは具体的な要求を明確にできるようになります。
Fit to Standard Agile導入のポイント
Fit to Standard Agileを成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- ERP選定: 標準機能への適合を重視するAgileでは、ERPの標準機能が業務プロセスに合致していることが不可欠です。
- 関係者の関わり方: 経営層、プロジェクトチーム、現場ユーザーそれぞれが自身の役割を理解し、連携することが重要です。
- チェンジマネジメント: 従業員が変化を受け入れ、積極的に参加するように促すための活動が必要です。
まとめ
Fit to Standard Agileは、ERP導入の負担を軽減し、柔軟性と拡張性を確保するための有効なアプローチです。
この手法を採用することで、企業は変化に強く、ビジネスの成長を支えるERPシステムを構築することができます。
この続きと、関連する記事(2026年8月 追記)
この記事は2025年2月に書いたものです。ここに至るまでの話は、前の記事にあります。
ERP選定の側から見た続きは、こちらです。
この手法でいちばん力の要るところは、Agile Extensionフェーズの小規模な開発でした。ここはその後大きく変わりました。2026年8月に提供を開始したTsubaiso Intelligenceでは、項目・画面・承認ワークフロー・業務のロジックの追加をAIが組み立て、組織へ反映する直前に人が承認します。着手前には既存の作りとの競合を診断し、本文で挙げた疎結合設計の原則に沿って組みます。加えた拡張の仕様はAIが読み取って書き起こすため、拡張を重ねても中身を追えるままです。
構造そのものを扱った記事と、導入の進め方を工程で示した記事もあわせてご覧ください。
ツバイソ株式会社
代表取締役 CEO 印具 毅雄(イング タケオ)
公認会計士、税理士
広島生まれ、福岡育ち。中学生の頃からパソコン、プログラミングが好きで、N88-BASICやマシン語に親しむ。大学、大学院では、AI関連技術のニューラルネットワーク、ファジィシステムとともに遺伝的アルゴリズムの改善研究をC言語で行う。
1999年、修士(芸術工学)。日本知能情報ファジィ学会論文賞受賞「単峰性関数当てはめによるGA(遺伝的アルゴリズム)収束高速化」
インターネットベンチャーを立ち上げるべく、経営の勉強のために公認会計士を取得(公認会計士二次試験2000年合格、登録番号19193)。監査法人トーマツ(Deloitte)を経て、2006年にブルドッグウォータ株式会社の創業、事業開始。
2015年、同社よりRobotERPツバイソ事業を会社分割し、ツバイソ株式会社を設立。

