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ERP導入で陥る「Fit to Standard」の罠 ── その落とし穴と解決策

ERPパッケージを導入する際によく耳にする「Fit to Standard」。

これは、企業の業務プロセスをパッケージソフトの標準機能に合わせ込む導入手法です。

一見、効率的にも思えるこの手法ですが、実は落とし穴が潜んでいることをご存知でしょうか?

今回は、長年ERPの導入に携わってきた経験から、「Fit to Standard」の問題点と、その解決策について解説していきます。

従来の2つの道 ── どちらも行き詰まる
従来の2つの道 ── どちらも行き詰まる

目次


「Fit to Standard」のメリット・デメリット

まずは、「Fit to Standard」のメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

  • 導入コストを抑えられる
  • 導入期間を短縮できる
  • パッケージのバージョンアップに対応しやすい

デメリット

  • 現状の業務プロセスを大幅に変更する必要がある
  • 現場の反発が起こりやすい
  • 企業独自の強みを活かせなくなる可能性がある

問題点:現場の混乱、反発

「Fit to Standard」の最大のデメリットは、現場の混乱を招きやすい点にあります。

長年培ってきた業務プロセスを、パッケージソフトの標準機能に無理やり合わせ込むことで、最終的には生産性が上がったとしても、当面は現場の担当者は戸惑い、不安になる可能性があります。

従って、現場責任を持つユーザからは反発の声が上がります。また、今まで省略していた(本来省略すべきではない)データ管理を行う新たな仕事が生まれることに対する反発も混ざることが多いです。

プロジェクトチームは現場から反対されることは怖いため、現場の声を重視するあまり、UIや現状維持を目的としたパッケージを選定してしまい、結果、本来の目的である経営改革の機会が失われるという問題がありました。

解決策:柔軟な対応とカスタマイズ

では、どのように「Fit to Standard」の問題点を解決すれば良いのでしょうか?

重要なのは、柔軟な対応カスタマイズです。

パッケージソフトの標準機能を最大限に活用しつつ、どうしても合わない部分はカスタマイズを検討するなど、柔軟に対応していくことが重要です。

また、導入前に現場の意見を十分に聞き取り、業務プロセスを丁寧に分析することで、混乱を最小限に抑えることができます。

しかしこれも、カスタマイズが増大し、ERP導入の失敗リスクとなる新たな問題のタネとなります。

まとめ

「Fit to Standard」は、ERP導入を成功させるための有効な手法の一つですが、そのメリットとデメリットを理解した上で、適切に導入を進めることが重要です。

現場の意見を尊重し、柔軟な対応とカスタマイズを検討することで、ERP導入を成功に導きましょう。

新たに起きるカスタマイズの問題は次で取り上げます。


この続きと、関連する記事(2026年8月 追記)

この記事は2025年2月に書いたものです。ここで挙げた行き詰まりに対する当社の答えは、Fit to Standard Agileという手法で、続く2本で説明しています。

ここで挙げた「カスタマイズは費用・品質・バージョンアップの負担という負債になる」という前提は、その後大きく変わりました。2026年8月に提供を開始したTsubaiso Intelligenceは、ERPをAIから自然言語で操作できるようにするための知識の集合です。カスタマイズについても、項目・画面・承認ワークフロー・業務のロジックをAIが組み立て、組織へ反映する直前に人が承認する形をとります。着手前には既存の作りとの競合を診断し、製品本体と疎に保つ設計原則に沿って組みます。加えたカスタマイズの仕様はAIが読み取って書き起こすため、後から中身を誰も説明できないブラックボックスになることも防げます。

Fit to Standard Agileでいちばん重かったのは、このカスタマイズの部分でした。ここが変わったことで、手法としての現実味がひとつ上がっています。

構造そのものを扱った記事と、導入の進め方を工程で示した記事もあわせてご覧ください。

代表取締役 CEO 印具 毅雄(イング タケオ)

ツバイソ株式会社

公認会計士、税理士

広島生まれ、福岡育ち。中学生の頃からパソコン、プログラミングが好きで、N88-BASICやマシン語に親しむ。大学、大学院では、AI関連技術のニューラルネットワーク、ファジィシステムとともに遺伝的アルゴリズムの改善研究をC言語で行う。 1999年、修士(芸術工学)。日本知能情報ファジィ学会論文賞受賞「単峰性関数当てはめによるGA(遺伝的アルゴリズム)収束高速化」
インターネットベンチャーを立ち上げるべく、経営の勉強のために公認会計士を取得(公認会計士二次試験2000年合格、登録番号19193)。監査法人トーマツ(Deloitte)を経て、2006年にブルドッグウォータ株式会社の創業、事業開始。 2015年、同社よりRobotERPツバイソ事業を会社分割し、ツバイソ株式会社を設立。

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